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あけましておめでとうございます、と書くのも何度目でしょうか。今回は前回の訂正から。
前回書いたシェア自転車の福岡進出の件、福岡市長の判断で見送りになったと書きましたが、福岡市側が蹴ったのではなく、モバイク側が動かなかった説が。締め切り当日だったのでウラが取れていませんでした。ここで訂正させていただきます。
さて、今回は大運河の話。
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詳しい歴史なんかはWikipediaなりを参照してもらうとして、唐突に大運河と言われても???だと思うので、まずは軽く大運河の紹介を。
・正式名称は京杭大運河。英語ではThe Grand Canal。
・上海の南にある浙江省杭州から北京を結ぶ全長約1,800kmの運河。
・紀元前5世紀から開削が始まり、6世紀頃に完成。
・途中、天津、揚州、鎮江、蘇州、紹興などの重要な都市を結ぶ。
・常州も通っている。上海は通ってない。
・黄河と長江を横断。東西の動脈と主要都市を連結。
・経済的、軍事的に重要な役割を果たしてきた。
・2014年に世界文化遺産に登録。
・現役の運河として今も物流の大動脈。
簡単な紹介だけで、スケールの大きさと歴史を感じさせます。
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 常州市内を流れる旧運河と高層マンション
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 見にくいですが、世界遺産のロゴと中国大運河 常州城区段の文字
 これだけ長いと道路と同じように運河にも距離を示す標識があります
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1,800キロと言うと、鹿児島中央駅から新幹線に乗って北上し、九州・山陽・東海道新幹線を乗り継ぎ、東北新幹線の盛岡駅までの距離。数百年かかっているとは言え、ユンボもない頃に完成させるのは想像がつきません。
世界文化遺産には1,800キロの全てが登録されているわけではなく、護岸や景観が昔のまま残っている一部が登録され、そのうち常州も「常州段運河」として登録されています。常州の中心部、南大街近くに残る城壁と運河は遊歩道として整備してあり、世界遺産に登録されたことを示す石碑も立っています。
実際にはこの市中心部を流れる運河は物流では使われておらず、メインに使われているルートは2004年建設を開始し、2008年に完成した常州の市街地を南に迂回するルート。25kmのこの新ルートは大きい貨物船も通れるよう橋も高く建設されていて、橋の構造もそれぞれ変えてあり、小型橋梁博物館と言われているとか。橋を渡っていると実際に多くの貨物船が往来しているのが見え、生きた運河なんだと実感させられます。
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日本では自転車は車道を走りましょう、みたいなことになっていますが、中国はさすが自転車大国、自転車専用レーンがあり、自転車用信号もあるため、そこそこ快適に走ることができます。
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そして2017年に入り、紡績工場跡を使ったおしゃれスポット「運河五号」の中に「大運河記憶館」がオープン。大運河の歴史やルートの変遷、常州と運河の関係、当時の生活などが展示してあります。入館無料で小一時間は楽しめるスポットになっているので興味のある方は是非。(9時〜17時オープン、11時半〜13時半昼休み、月曜休館)
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 大運河記憶館の建造の様子の再現。当然ですが人が掘ってます
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福岡で運河といえばキャナルシティ博多ですが、水深が浅くてゴムボートも座礁しそうなとこのどこが運河やねん、という昔から持っていた意見を述べさせていただいて、今回はこの辺で。ちなみに中国語でキャナルシティ博多は「博多運河城」。そのまんまですね。
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常州は40℃を超える猛暑も落ち着いたどころか、お盆を過ぎて一気に気温が低下、例年よりも涼しい9月です。今回の佐古日記、シェアサイクルの話。
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中国人民の移動手段といえば、人民服を着た人たちが道いっぱいに広がって自転車を漕いでいるという映像を見たことがあると思いますが、そんなのは大昔の話。改革開放で経済発展するに従い、自転車からバイク、自動車へと変わっていきました。もちろんちょい乗り用途に自動車は過剰なこともあり、自転車は今でも重要な移動手段。しかし、ここ10年くらいは自転車ではなく、電動自転車が多くなりました。日本の電動アシスト自転車とは違い、完全に電動の自転車。日本の法律では原動機付自転車となり免許が必要な分類ですが、中国では免許も必要なく、価格もバイクより安価なため一気に普及しました。そんな電動自転車大国になった中国、自転車はもう衰退の一途だと思われていましたが、この1年ほどで大きく変わりました。
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 常州のシェアサイクルはまだサイクルポート式がメイン。専用のカードか、スマホでQRコードを読んでロック解除します。
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 Mobikeのロック機構。通信モジュールとGPSが内蔵されていて、QRコードを読むと解錠されます。
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それがシェアサイクル。中国語では「共享単車」といいます。一部の都市では以前よりシェアサイクルはありましたが、決まった場所にあるサイクルポートでしか貸出・返却できないため、使い勝手が悪く利用率は低かったようです。しかし、いま大流行中のシェアサイクルは街角に自転車が置いてあり、スマホで自転車に貼ってある固有のQRコードを読んでロックを解除、目的地に着いたら自転車をロックして終了。好きなところで乗って、好きなところで返却(※)できる利便性の高さと、30分につき0.5元(約9円)〜と格安な料金もあり爆発的に増えました (※本当にどこでも乗り捨てられ大変なことになったので、歩道上に駐輪スペースが整備され、そこに返却することになりました) 。
乗り捨てられた自転車がどこにあるのかわからないのにどうやって使うの?と思われますが、自転車に通信機能とGPSが内蔵されているので、スマホアプリの地図上に自転車の位置が表示され、そこに行きQRコードを読めばOK。
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日本では自転車は車道を走りましょう、みたいなことになっていますが、中国はさすが自転車大国、自転車専用レーンがあり、自転車用信号もあるため、そこそこ快適に走ることができます。
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このシェアサイクルの2大巨頭がMobike(摩拝単車)とofo(小黄車)。この2社で80%のシェアがあると言われています。その他にもカネになると踏んだのか、雨後の筍のようにいろんな会社が色んな色の自転車を街中にばら撒き、中国全土で1,600万台、上海市だけで150万台となり完全に飽和状態。さすがに政府が規制を始め、新車の投入が禁止されました。
また、利用料金では儲けることは難しいと思われていて、初回利用時に支払うデポジット(保証金、随時返金可能で99元〜299元)を運用して儲けているとか、投資家から投資を引き出したらそこで終了のビジネス、とか言われていますが、実際のところは?この辺も政府の規制が入り、デポジットを取るのは禁止されました。
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 地下鉄駅前の様子。見えてる自転車の全てがシェアサイクル。これでも少ない方です。
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さて、このサイクルポート制ではないシェアサイクルが日本でも始まりました。上で紹介したMobikeが福岡にモバイク・ジャパンを設立し、8月より札幌でサービスを開始しました。ただ、中国みたいに乗り捨て自由とはいかず、提携したコンビニやドラッグストアの店頭に専用エリアを設けて、そこで貸出・返却となります(システム上は乗り捨てるのは可能なので道端においてあることもあるみたい)。福岡でのサービス開始も2017年内と言われています(この原稿の締め切り当日朝になって福岡でのサービスは福岡市長の判断で見送りになったとの情報が。放置自転車対策に四苦八苦してる福岡市には無理だろ、とは思ってましたが。高島市長はこの手のサービス好きそうなのに…)。
各アプリストアでMobikeと検索するとアプリが出てきます。デポジットが3,000円とちょっと高く感じますが、日本で作成したアカウントで中国でも使うことができるので中国に来る予定のある方は今のうちにアカウントを作っておいても無駄じゃないかもしれません。
中国は自転車だけでなく他のものもシェアが大流行。小さいところでは傘やモバイルバッテリー、大きいところだとBMWのカーシェアなんかも始まって、シェアシェアの大合唱。このまま全部共有化して真の共産主義国家が樹立するんでは、という笑い話も出るくらいですが、今回はここまで。また次回。
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(2017/10) |
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これを書いているのは6月後半のとある日。おかげさまで今年も無事に誕生日を迎えることができました。これもひとえに皆様のお力添えあってのことと、心から感謝しております。というわけで今回はお誕生日の話。
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突然ですが、中国人は誕生日が年に2回あるのをご存知でしょうか。日本でも戸籍上の誕生日と実際の誕生日が違う人がたまにいますが(中国にはもっといますが)、そういうわけではなく「新暦」と「旧暦」の2つ。流石に最近の都市部の人は旧暦の誕生日で祝うことはないようですが(嫁さんは旧暦の誕生日を知らないらしい)、地方や年代によっては今も旧暦で、若しくは新暦、旧暦の両方祝うようです。また、年齢は基本的に数え年でカウントするので、日本人の感覚と最大2歳の差が出ます(生まれた時点で1歳、春節ごとに+1歳。極端な話、大晦日に生まれると翌日には2歳になる)。中国人に年齢を聞くと一般的には数え年で答えが返ってくることが多いんですが、相手が日本人だと気を使って満年齢で答えてくれることもあり、わけわかんないことになります。なので、生まれた年か干支を聞くのが混乱を生まない賢い方法。覚えていて損はないです。
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 過去のお誕生日ディナーシリーズ1
2014年。総経理にご馳走していただいた水餃子と牛肉春雨スープ。
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日本と中国、お誕生日の過ごし方も違います。日本だと、お誕生日の人をゲストとして周りがお祝いするのが一般的でしょうが、中国では逆で、お誕生日の人が友人などを招待し、レストランなどでご飯をご馳走します。日本人的には自分でお金を出すのはなんとなく寂しさを感じますが…。招待された人はプレゼントやケーキを持ち寄りお祝いします。お店も慣れたもので、ケーキを持ち込んでも何も言わないどころか、店の冷蔵庫で冷やしてくれたり、お店によってはろうそくに火が灯ったらライトダウンしてくれたり、店員さんが一緒にハッピーバースデーの歌を歌ってくれたりします。ちなみにハッピーバースデーの歌、メロディーは日本と変わらず、歌詞は♪祝 生日快楽(ジュー・ニー・シェンリー・クァイラー)を4回繰り返すだけです。Dear(名前)〜なんかはないのでカンタンなもんです。これも覚えていて損はないです。
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 過去のお誕生日ディナーシリーズ2
2015年。ケーキに見立てたポテトサラダ(食べかけ)。悲しみが溢れ出ている。
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さて、私の今年のお誕生日の過ごし方ですが、
《起きる→犬と戯れる→早めの昼ごはん&嫁さんが用意したケーキを食べる→日系スーパーで買い物→常州に戻る→スーパーで買った鶏照焼弁当を食べる→ル・マンのゴールを見届ける(※今年もポルシェ)→就寝》
なんと充実した誕生日の過ごし方でしょうか。なお、嫁さんからはケーキ以外のプレゼントはありませんでした。(要らないかもしれない誕生日のプレゼントはやめよう、欲しいものは欲しいときに相談して買おう、と結婚の前後に決めたから。なんだかんだで小さいプレゼントを渡すこともありますが。)
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 過去のお誕生日ディナーシリーズ3 2016年。上海国際映画祭にYOSHIKIが舞台挨拶に来たもんで嫁さんは旦那を置いてそっちに。旦那はラーメン屋で漫画読みつつビール。映画が終わって取ってつけたかのようにケーキを買って来た。
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ル・マンについては色々と思うところがありますが、長くなるのでやめます。というわけでまた次回。
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(2017/07) |
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あけましておめでとうございます、と書くのももう3回目になりました。記念すべき10回目。今回は前に書いたもののフォローアップから。
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6回目に11月11日は「双十一」というネットショッピングの日で2015年は当時のレートで1.7兆円(912億元)の売上があったと書きましたが、2016年は1.9兆円(1,207億元)と、2015年実績を3割以上上回りました。ジャマイカのGDPを超えたとか…。なお、この中の473.5元(約7,500円)は私がユニクロで買ったヒートテックとダウンジャケットです。
前回、中秋節が国慶節に近いと営業カレンダーを作るときに難儀する、と書きましたが、12月に国務院から発表されたカレンダーによると2017年は近づきすぎるどころか、中秋節(10/4)が国慶節(例年10/1~7)に内包され、10/1〜8で休日となりました。別々のほうが良かった、というのが正直なところ。
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 2017年永正機械のカレンダー(暫定版)。今年は国務院の発表が早かったので年内に完成できました。クリックで拡大。
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 元中原総経理邸。こんなに広かったのか…という感想が皆様から。
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さて、本題に入りますが、今回は家の話。
現在絶賛引っ越し中です(中国通算4年ぶり7回目)。とは言え、同じマンションの27階から22階に移動するだけ。荷物もそんなに無いし、すぐに終わるだろうと思っていたんですが、これがなんとも終わりません。中国に来て11年、前の引っ越しから4年という歳月で溜まりに溜まった、いわゆるゴミを大放出中。前の引っ越しから開けてないダンボールはそのまま処分しました。
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最近は日本でも家電備え付けの家が増えてきているとは聞きますが、中国では基本的に大家が家電を準備しています。そのため大型家電を移動する必要がないので、業者に頼まずとも自分で引っ越しすることができます。少しでも楽したいので静音台車を購入。夜な夜な27階と22階を往復しています。
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さて、そもそも引っ越しすることになった理由ですが、永正で総務・通訳として働いてくれている郭さんがこの度めでたくマンションを購入し、引っ越ししたため。というのも、同じマンションで4部屋借りていて、27階の私の部屋が一番狭いのに家賃が一番高かったのでそこを引き払うことにし、同じく通訳・営業として働いてくれている范さんが郭さんの部屋に、中原総経理が范さんの部屋に、そして私が中原総経理の部屋に、というこの数ヶ月でみんな引っ越しをするという一大プロジェクト。そのプロジェクトも終盤を迎え、最後の追い込み中、というわけです。
中国でマンションを購入すると基本的には内装は無く、コンクリート打ちっぱなしの状態で引き渡されるため、自分で業者を手配し内装をする必要があります(郭さんは総額の2割位が内装費用だとか)。そのため、同じマンションでも内装は全く違います。完成間もないマンションに入居すると、他の部屋の内装工事をやってたりして、朝からドリルで穴を開ける音が壁を伝ってゴリゴリ聞こえてきます。これがかなりのストレスに。特に「今日は寝るぞ!」と決めた休みの日なんかは怒りしか湧きません。なので、中国でマンションを借りるときは新しいものよりある程度年数が経っていて、他の部屋の内装工事がほぼ終わってるようなところをおすすめします。が、年数が経ちすぎていると今度はリフォームでゴリゴリとなるので、なかなか難しいところ。
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 郭さんの新居に飾られているサントリー響。弊社董事長がコンペで獲得した賞品。郭ちゃんお酒全く飲めないのになぜ。
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佐古ちゃんもそろそろ中国で家を買ったら?とよく言われますが、上海は高くて無理ですし、常州でも福岡郊外の新築マンション並の値段がするので、無理して買わなくてもなぁと言うのが正直なところ。住宅ローン金利も日本の数倍ですし。年末ジャンボの1等前後賞でも当たれば考えます。上海じゃ1等前後賞でも厳しいかも。
国慶節、日本に帰ったときに唐津の寶當神社で買ったオータムジャンボ連番10枚バラ10枚は600円だったのであんまり期待してないですし、当たったとしてもここで発表することは無いですが、上海でマンション買ったとか噂を聞いたら察してください。というわけでまた次回。
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(2017/01) |
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40℃を超える夏が終わったかと思ったら、一気に気温が下がって朝方は掛け布団なしでは厳しくなってきました。これを書いているのは9月15日。中国は中秋節休暇の初日です。というわけで今回は中国の休日の話。
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休日の話ということで、とりあえず中国の法律「全国年節及紀念日放假弁法」に規定された中国の休みを一覧にしました。
新年…1/1
春節…旧暦1/1〜3(2016年は2/8〜10)
清明節…24節気の清明(2016年は4/4)
労働節…5/1
端午節…端午の節句(旧暦5/5、2016年は6/9)
中秋節…中秋当日(旧暦8/15、2016年は9/15)
国慶節…10/1〜3
他にも対象が限定される婦女節とか、少数民族の休日とかもあるんですが、ここでは省略。見ていただいて分かる通り、少ないです。
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 永正の2016年営業カレンダー。本文では国慶節明けは7連勤と書いていますが、他の土曜から休みを持ってきて8、9日とも休みにしました。すみません。クリックで拡大。
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日本は年に16日、更に国民の休日という裏ワザが発動した年はもっと増えますが、中国は11日です。また、旧暦を基に決める休日も有り、毎年日付が変わります。で、長くても3連休にしかならないのに「中国の建国記念日にあたる国慶節で観光客が押し寄せています」みたいなニュースが日本で流れるのかというと、毎年12月中旬に国務院から発表される通知で、今年を例にすると
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元旦…1/1、週末と合わせて連休
春節…2/7〜13で連休、6日、14日は振替出勤
清明節…4/4、週末と合わせて連休
労働節…4/30〜5/2で連休、5/2は振替休日
端午節…6/9〜11で連休、12日は振替出勤
中秋節…9/15〜17で連休、18日は振替出勤
国慶節…10/1〜7で連休、8日、9日は振替出勤
というわけで、太字で強調しましたが土日を振り替えることで無理やり連休を作っています。
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 連休の作り方。 日本みたいに週の真ん中あたりにポツッと休みがあるのもいいなぁ、なんて思ったり。
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今年の国慶節明けは10/8、9と土日が出勤日になったため10/8〜14の7連勤となり、なかなか辛い事になっています。
で、この国務院からの通知、上でも書きましたが、例年12月の中旬に翌年の分が発表されます。日本だったら手帳やカレンダー商戦も一段落ついてるような時期に発表されるんですが、中国のカレンダーの業者とかどうしてるんでしょうか?だいたいパターンはあるので(火曜日が休日なら前の土曜を振替出勤、月曜を休みにして日曜〜火曜の3連休とか)、いいんですが、水曜日が休みの場合や、中秋節が国慶節に近づきすぎる年は読みづらく、会社の営業カレンダーを作るときに難儀します。
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日本は「山の日」が増えたらしいですが、中国はめったに増えません。そんな中国ですが、2015年は1日増えました。抗日戦争勝利70周年を記念して9/3を「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」として休日とし例によって日曜を振り替えて3連休にしました。その頃はまだ円も安く、爆買い真っ盛りの頃。中国人民は休みの意味など関係なく、こぞって日本に買い物に行ったとか。
このコラムが世にでるのはおそらく10月の頭、国慶節の休みで日本に中国人が押し寄せている頃でしょうか。
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 写真が無いとなんとも味気ないので労働節に行った紹興の写真を。季節もよく観光シーズンなので人まみれ。
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私も嫁さんと一緒に福岡に帰省して、たまの日本を満喫する予定です。折角なので熊本に旅行でも行こうかと思っています。
日本に帰ってあれ食べたいなぁ、こっちもいいなぁとか妄想しつつ、今回はこのへんで。また次回。
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(2016/10) |
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そろそろエアコンが手放せなくなってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今は6月19日の夜、ル・マン24時間レースの中継が終わり(中国ではネットで24時間中継していました)、落胆しながら書いています。トヨタがマツダ以来の総合優勝かと期待してほとんど見ていたんですが… 残り6分で中嶋一貴の「ノーパワー」からのマシンが止まり、ポルシェに抜かれた時は思わず声を上げてしまいました。優勝したポルシェの車体に輝く「DMG M○RI」の文字が恨めしく、トヨタと同じ愛知の会社なのに…トヨタもデンソーじゃなくJTEKTがスポンサーならもしかしたら(車体に小さくJTEKTの文字は有りましたが)などと意味のないことを考えたりしていました。なお、永正の旋盤、マシニングはほとんどオークマです。
さて、8回目の今回は銀行の話。モータースポーツの話ではありません。工作機械メーカの話でもありません。
中国の銀行といえば何をイメージされるでしょうか。岡山にある中国銀行のことではなく、中華人民共和国の銀行です。Yahoo! で「中国 銀行」を検索すると、「中国 銀行 破綻」や「中国 銀行 デフォルト」「中国 銀行 危機」みたいなネガティブな候補が出てきます。経済誌に限らず一般紙やTVでもいろいろ噂されていますが、今回はこの手のネガティブなことには触れません。中国でも去年から預金保険制度ができ、50万元(約800万円)までは保護されるらしく、十分保護されるくらいの資産しか無いので直接的にはあんまり困ることはなさそうですし。経済がぐちゃぐちゃになって間接的に困るとは思いますが。
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中国で銀行口座を開設するのはカンタンです。短期滞在の外国人でもパスポートと連絡先の住所(ホテルとかでもいいらしい)、できれば中国の携帯電話番号があれば開設でき、銀聯マーク付きのキャッシュカードもその場で受け取れます。ただ、中国語力、最低でも多少の英語が話せないと厳しいかもしれませんが…あと、窓口の横柄な態度にもイライラしない寛容な心も必要かも。
日本の銀行で外国人が開設するには在留カードなどの資料が必要になるため、短期滞在の外国人は開設できません。あと印鑑。一部の銀行では印鑑廃止になっていますが、形骸化している印鑑制度はなくならないんでしょうか。嫌いな制度ではないですが。印鑑発祥?の中国では個人の手続きに印鑑が必要なことはなく、ほぼすべてサインです。個人名の入った印鑑を持っている人は殆どいません。うちの嫁さんもたまにしか日本に行きませんが、手続き等で何かと印鑑が必要になることがあったので日本でわざわざ作りました。
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 交通銀行のATM画面。英語だけでなく日本語、ドイツ語、フランス語などが選べるので便利。
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話が逸れましたが、中国で銀行口座を開設するのはカンタンなので中国にたまに来る人なんかは、1つ持っていると便利かも。両替したお金を突っ込んでおけば殆どのお店はキャッシュカードがそのまま使えるのでそれで決済できますし、余ったら日本のセブン銀行や家電量販店などでも使えるので再両替の手間もなく、無駄なく使えますし。
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日本でATMの引き出し手数料は、同じ銀行のATMであれば時間や曜日で決まることが多いですが、中国の銀行は同じ銀行のATMであれば基本的に24時間365日手数料がかかりません。基本的にってのは、同じ銀行でも口座を開設した市ではなく、別の市で引き出すと手数料を取られます(異地取款手続費)。日本人としては同じ銀行なのになんで手数料が、とは思いますが、面積が日本の25倍もあればネットワーク維持などで仕方ないのかもしれません。大体0.5%から1%。バカにならない金額です。一部の銀行ではこの手数料を取らないところもありますが、だいたいATMの少ない銀行なので、結局他行手数料が取られます。
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 このコラムのためだけに常州で上海の建設銀行のカードで300元引き出し。1.5元の手数料を取られました。
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ある程度の金額(数十万元くらい?)を口座に入れるとVIPになれて、手数料が取られないらしいですが、僕には関係のない話です。
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ふと中国に銀行はどれくらいあるのかと調べたら、正確な資料は見つけられませんでしたが、日本で言う信用組合的な信用合作社なども含めると3,000社以上あるみたいです(金融庁の資料によると日本は650社くらい)。そのうち大きな中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行、交通銀行は五大銀行と呼ばれ、全て国有です。全国各地に支店を持っており、海外進出も盛ん。日本で言うところの都市銀行みたいなものでしょうか。中国の銀行としてはこの五大銀行のみがそれぞれ東京支店を開設しています。
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 持ってる銀行のキャッシュカード。あと2行で五大銀行コンプ。
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永正は岡山からの出資もありますので、岡山の中国銀行(以下中銀)ともお付き合いがあります。中国の中国銀行(Bank of China、以下BOC)と混同をさけるためか、名刺などには「中国銀行」とは書かず、CHUGOKU銀行と表記されています。岡山の大学の先輩が就職して東京に行き、岡山で作った中銀の口座を解約するのに東京支店の場所を調べて行ったらBOCの東京支店で、どうも間違われるのにも慣れているらしく丁寧に中銀東京支店の場所を教えてくれた、という笑い話もあります。当然逆もあるようで、中国人が中国銀行東京支店に来るので、中国語で「ここは本店が岡山の中国銀行で大陸の中国銀行とは別の銀行ですよ」と書いてあるとか。
つらつらと書いているとル・マンの悔しさも若干晴れてきました。今後、中国で盛り上がってきているモータースポーツの話でも書くかな、などと思いつつ、よくよく考えるとF1上海GPはとっくに終わっているので来年になるかも。工作機械メーカの話はいろいろ角が立ちそうなので書きません。というわけでまた次回。
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(2016/07) |
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春節のドタバタも終わり、そろそろダウンジャケットとヒートテックが要らなくなる頃かなと思っていたら最低気温はまだまだ1ケタの日が続く常州です。中国工場佐古日記7回目の今回は中国の車の話。
2015年の中国の自動車販売台数が2459.8万台で7年連続世界1位になり(某社セミナーの受け売り)、景気減速と言われていますがこれからも更に増える見込み…みたいなことは経済誌なりセンテンススプリングなりにお願いするとして、身近な事柄を。
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中国の外資企業には専属の運転手と7人乗りのミニバン(ビュイックGL8がほとんど)ってのが定番ですが、永正にはミニバンどころか運転手もいません。過去には運転手はいたんですが、今は自分たちで運転しています。客先に行くのにも、駅へのお迎えも、毎日の通勤も自分自身で運転。永正には日本人が2人(総経理の中原と私)いますが、ふたりとも運転免許を取得して日常的に運転しています。中国で運転しています、と言うと驚かれたり、心配されたりするんですが(中国に来たことがある人から特に)、慣れ
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 日系企業のビュイック3台に囲まれる永正のVW トゥーラン(左から3番め)。何となく悲しげ。
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ればなんともありません。いや、マナーとか運転技術とかでいろいろ言いたいことがありますが。それも含めて慣れないと中国では運転できません。
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中国の運転免許を取得するのは簡単です。日本の免許を持っていたので、日本の免許を中国語に翻訳後、身体検査と筆記試験だけで取得できました。全ての手続を自分でやったので費用は5,000円もしなかったと思います(代行業者でやるとそこそこかかる模様)。筆記試験は事前に公表してある約1,600問の中から100問出題され、90点以上で合格。筆記試験とは名ばかりのコンピュータ上での試験です。問題は日本語?でした。中国語の問題を日本語があんまりうまくない人が直訳したような感じで、問題の中身を理解しようとすると訳がわからなくなるため、理解をせずにほぼ丸暗記。試験を終わるとすぐに点数が表示され、94点で一発合格でした。
取得したのは2010年。2010年の上海といえば上海万博。市民の機運を高めるためか、上海万博に関する問題が2問出ました。全裸で水色のあいつの名前や、開幕日を答えたような記憶があります。
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 中国の運転免許証。運転できる種別はアルファベットと数字で表記されていて、C1は日本で言う普通一種、Eは自動二輪。
 右下が水色のあいつ。今回一番苦労した写真。当時はどこを見てもこいつばっかりだったのに、この3日間どこを探しても写真さえ撮れないという。仕方ないので、北朝鮮館でもらった切手シートのサンプル。
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中国流のマナーと阿吽の呼吸が必要な中国での運転、呼吸が少しでもズレると事故ります。1日に1回は大なり小なり事故を見るので、呼吸はズレまくりです。何度か事故にあっていますが、この間は信号待ちをしていたら路線バスに追突されました。体はなんともなく、バンパーが凹んだくらいでした。路線バスだから事後対応は心配ないなと思っていたらとんだ思い違いで、バスの運転手がゴネてゴネて大変でした。なんと無保険で修理費用はバスの運転手の自腹とか。事故の前から壊れていたんだろう、とか言うもんだから困ったもんです。最終的には運
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 朝のラッシュ時に事故って揉めている皆さん。警察が来るまでその場で待つので後ろは大渋滞。
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転手が修理費用を支払いました。なんとなく可哀想な気もします。
中国で運転していて困るのは、日本に帰った時。日本でも運転はするので、ハンドルも車線もウィンカーも逆。車線変更しようとしてワイパーが出るのは日常茶飯事(実はウィンカーは左側とISOで決まっているんだとか)。左折してどっちの車線に入ったらいいかわからなくなることもしょっちゅう。今のところ、左右の違いが原因で事故ったり切符切られたりはありません。日本ではゴールド免許です。年に1ヶ月も日本にいないので当然といえば当然。
スタバのテラスで優雅にコーヒーを飲みながら書いているこのコラム、寒くて優雅とか言ってられない状況なのでこの辺で。早く春が来ることを願いつつ、また次回。
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(2016/04) |
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あけましておめでとうございます。とは言いつつ、書いているのは12月で、しかも以前にも書いたように中国は旧正月がメインで年末感は全く無く、感じているのは最近寒くなってきたなぁ、くらいです。中国工場佐古日記その6、今回はネットショッピングの話。
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先日11月11日は「双十一」というネットショッピングの日。もともとは「光棍節」という独身者の日で、後述のアリババが独身の自分自身にプレゼントをというキャンペーンを張り、中国最大のネットセールの日になったとか。2015年は「天猫(T-Mall)」だけで1.7兆円を売り上げたと日本でもニュースになりました。他のネットモールもセールをやっていたので、この日の売上は全体で2兆円を超えたと言われています。
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 セール開始後、1分12秒で売上10億元(190億円)を超えたとのニュースのキャプチャ。この処理能力、ラピュタのバルス祭りよりもすごい気が。
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私も10日の23時50分頃からF5連打しつつ参戦しましたが、客寄せパンダ的な超お買い得商品は「秒殺」(中国語で即完売の意)。「本当に安いのか、必要なのか」を考えてしまうと負けらしく、気になったものをガンガンカートに入れて決済、届いてから必要なのかを考える、が正しいやり方らしい。やりませんが。「7日以内なら無条件で返品可能」という法律があるので出来る芸当です。
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さて、中国のネットショップといえば真っ先に名前が上がるのが、上にも出てきたアリババ。
C2C1 の「淘宝網」とB2C2 の「天猫」の2つが融合した中国最大のネットモール3 で圧倒的なシェアを持っています。ここは大抵のものは有り、食料品や衣類(ユニクロのネット旗艦店も「天猫」に出店)、電化製品はもちろん、航空券、ビザ申請代行、宝くじ、不動産、公有財産の競売、傑作まんじゅう博多通りもんまで売っています。
ネットショップシェア2位ですが、直販型4 では1位の「京東商城」。直販型なので売上自体はアリババよりも上だとか。こちらは配送も自社でやっていて、スピードも魅力。早ければ上海市内なら当日、常州でも翌日に到着します。
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 「天猫」とここでは紹介していない「1号店」の箱。天猫の梱包テープには「中身を確認してから受け取ってね」との注意書き。配送中投げる、踏むは当たり前なのでこんな注意書き。
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日系の通販サイトもいくつか進出していました。R社は「楽酷天(発音はルークーティエン)」というサイトを合弁で出していましたが、2年も持たず。Y社もアリババと組んで「淘日本」という日本Y!ショッピングの商品を中国語で購入できるサイトを運営していましたが、こちらも2年持たず。どちらも2010年にスタートして2012年半ばに閉鎖。震災や尖閣問題の影響もあったとは思いますが、なんとも残念。日系大手商社が運営していたサイトは中国人だけではなく、中国に住んでいる日本人もターゲットにしていて、日本語で注文できて値段もそこそこ、100元(約2,000円)以上買えば送料もかからず配送も早ければ翌日。しかも上海ならクロネコヤマトが配送。
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 日系商社の運営していたサイトの閉店ご案内。「天猫」と「京東」に越境ECショップ出しているので今後はそっちを使ってね、と。
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安心で便利に使っていたんですが、こちらも2015年6月で閉鎖。もうボロボロです。海外勢で頑張っているのがアマゾン。アリババ程ではないにしろ、品数豊富で上海や江蘇省南部であれば、当日配送も可能。99元以上購入で送料も無料となるため、ちょくちょく使っています。
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最近のネットショッピングのトレンドは越境EC。簡単にいえば海外から直接発送する海外通販のこと。前述のR社や日系大手商社もこちらに移行しています。「天猫」や「京東商城」も専用のサイトを開設。中国語で購入でき、支払いは人民元、配送もそこそこ速く、間違いなくホンモノで中国で買うより安いため人気なようです。
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 「京東」の越境ECサイトの日本館。中国人観光客に売れている物がやっぱり売れているらしい。
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アマゾンは、検索結果にアメリカアマゾンの商品も表示する力の入れよう。上海自由貿易試験区5 に拠点を設けて、そこから配送することで1週間程度で届くとか。最近では日本のカメラ量販店が大手家電量販店「国美電器」のネットモールに出店するというニュースも。旅行客だけではなくネット通販でも爆買いが進みそうです。
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ネットショップで当然必要となる支払い。クレジットカードやネットバンキングからも可能ですが、インターネット決済サービスからの支払いが早くて便利です。現在中国ではアリババの「支付宝(Alipay)」とテンセントの「微信支付(WeChat Payment)」の2強(だと思う)。「支付宝」は「淘宝網」での支払いインターネット決済サービスとしてほぼ独占していましたが、テンセントが中国版LINEと言われる「微信」のユーザを増やしたところで「微信支付」を開始し、一気に追い上げるという状況。
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 「支付宝」の銀行口座振替画面。WEBからだと翌日に入金ですが、スマホアプリからだと10分で入金されます。
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どちらも仮想の口座にネット銀行などからチャージして使う、プリペイド型のような使い方。友人などと手数料無料でチャージ金額のやり取りも可能なので、友達とワリカンした時などは代表で払ってあとから「支付宝」で回収する、というようなこともできます。プリペイドカードとは違い、無料で(最近一定金額以上で手数料が発生するようになりましたが)銀行口座に移すこともできるため、現金が必要なときは銀行口座に移して引き出せばOK。さらに「支付宝」では2013年からは「余額宝」というサービスを開始。「支付宝」のチャージ金額を移し替えると使えるこのサービス、出し入れ自由なのに銀行預金を遥かに上回る高金利で、収益は毎日入金。元本は保証されていないとはいえ、ほとんどが銀行預金で運用されていて比較的安全だとか。開始当初は6%以上あった金利も現在は2.5%程に落ち着いていますが、日本の普通預金の金利を考えると魅力的。銀行預金をすべて「余額宝」へ移し替える人が続出という話も頷けます。
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ネットで使うだけだったこれらのインターネット決済サービスですが、実際の店舗でも支払いができるようになりました。スマートフォンのアプリで支払い画面を表示させ、画面のバーコードを店舗のスキャナで読み取れば支払い終了。キャッシュレスで支払いができます。キャリア主導で進んだ日本のおサイフケータイでは対応端末が必要で、高いシェアのiPhoneはそもそもおサイフケータイに非対応。携帯電話契約と端末が基本的に分離されている中国ではこうするしかなかったのかもしれませんが、ネットワーク接続とアプリがあればAndroidでもiOSでも関係なく支払いができるため、一気に浸透しました。
その「支付宝」と「微信支付」の支払いが日本の店舗でも使えるようになりました。中国人の爆買いを支える「銀聯カード」だけではなく、これからは「支付宝」と「微信支付」の対応が中国人旅行者を惹きつけるポイントになるかもしれません。
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 バーガーキングでの支払いの様子。画面をスキャナで読み込むとチャージ金額から即時決済されます。競争が激しいためか割引されることも。今回は10%引きでした。
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なんとなく熱くなって今回はいつもの倍くらい書いてしまいました。長いよ!と言われるのも嫌なので、今回はここまで。また次回。
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1 Consumer to Consumer。消費者間取引。日本ではヤフーオークションなどが有名。
2 Business to Consumer。企業対消費者間取引。企業が個人向けに行う事業のこと。
3 インターネット上の仮想商店街。モール運営者は場を提供するだけで直接販売はせず、 仮想商店街に入居した店舗からの手数料で運営する。日本では楽天市場などが有名。
4 ショッピングサイト運営者が直接商品を販売すること。アマゾンなどが有名。
5 2013年に鳴り物入りで発足した特区。香港を目指し、金融や貿易などの規制を緩和して 経済活性化するのが目的とか。いまいち盛り上がってる感がない(と、個人的に思っている)。
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(2016/01) |
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皆さんこんにちは。常州も暑さも和らぎ過ごしやすい日が続いています。ものづくり商談会では、数名のお客様からこのコラムを「読んでるよ!」とのお言葉を頂き、こっ恥ずかしいやらなんやらでしたが、中国工場佐古日記その5、今回は物価の話。
イメージとしては日本より物価が安いと思われがちな中国ですが、円安の進行により円に換算するとそうとも言えなくなっています。物価の推移は経済学者様にお願いするとして、今回は日本と中国の価格について書いていこうと思います。(以下1元=20円として計算、2015年9月に常州で調査)
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一番身近な食品は肉類だけでなく、野菜や果物もほぼ量り売りなので正確な対比が難しいところですが、日本よりは安く、キャベツ1玉60円〜100円、豚バラ肉80円/100g。豚肉にはよく皮とか骨が付いているので実質はもうちょっと高いかも。物価の優等生、鶏卵はM玉10個で100円くらい。結構乱高下してるらしく、どうも優等生じゃない様子。日本人向けの生食可の玉子は10個で500円と高級品です。
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 スーパーの野菜・果物売り場。 手前はキャベツ。500gで1.28元(25円位)。
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普段は一人暮らしなので外食もよくします。ローカルの店に行くと炒飯や拉麺などは100〜150円程度でお腹いっぱいに。たまに日本食が恋しくなり日本料理屋に行くと生ビールが360円、冷奴が100円、秋刀魚の塩焼き500円。ちょっと飲むだけで3,000円くらいします。ランチでも生姜焼き定食で900円。ワンコインランチなど夢の様な話。ビッグマック指数でも有名なビッグマックは380円、ケンタッキーのオリジナルチキンは200円、スタバのキャラメルフラペチーノはトールで600円。この価格でもお客さんはいっぱいで、店も増えてるのを見ると中国のエネルギーを感じます。
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 スタバ。写真を撮るだけじゃ悪いのでキャラメルフラペチーノを注文するも気温20℃で飲むものじゃないと実感。
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中国のほうが安いのが光熱費。電気は契約の種類はいろいろとあるようですが、今の家では昼間で11円/kWh、夜間で7円/kWh。給湯器は電気温水器で、エアコンもそこそこ使って、年間15,000円程度。ガスは都市ガスで、50円/m3。電気温水器のためガスは料理にしか使いませんが、年間2,000円程度で済んでいます。水道代も安く、基本料込み75円/m3。飲めませんが。週2回ほど洗濯して、浴槽がないのでシャワーだけで年間で5,000円くらい。飲めませんが。
日本とそう変わらないのがガソリン代。産油国とはいえ消費量の半分以上を輸入に頼っているためか、レギュラーが120円/Lとこれを書いている9月半ばの日本の価格とほぼ変わらず。車本体も日本と同じ若しくはそれ以上するのに車は増えているとは…
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携帯電話料金も日本より安く、プランはいろいろ有りますが200分の通話料、1GBのLTEデータ通信込みで1,800円ほど。通話のみだと基本料400円で、通話料は4円/分くらい。通話料と携帯電話本体の価格は基本的に分離されているので携帯電話本体は高め。数千円のスマホも有りますが、近頃発表された某6sの16GBモデルは10万円を超えます。総務省が必死になって価格を下げようとしていますし、MVNOの台頭もあり、今後も価格は下がると思われますが中国と同じレベルまで下がるのは流石に無理でしょうか。
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 常州にもアップルストアが。なんか変ですが。
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中国での生活はこんなに苦しいんだぞ、という暗に会社へのメッセージと取られても困るので今回はこの辺で。そんなつもりは全く無いです、と念のため主張しつつまた次回。
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(2015/10) |
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皆さんこんにちは。常州も暑さも和らぎ過ごしやすい日が続いています。ものづくり商談会では、数名のお客様からこのコラムを「読んでるよ!」とのお言葉を頂き、こっ恥ずかしいやらなんやらでしたが、中国工場佐古日記その5、今回は物価の話。
イメージとしては日本より物価が安いと思われがちな中国ですが、円安の進行により円に換算するとそうとも言えなくなっています。物価の推移は経済学者様にお願いするとして、今回は日本と中国の価格について書いていこうと思います。(以下1元=20円として計算、2015年9月に常州で調査)
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一番身近な食品は肉類だけでなく、野菜や果物もほぼ量り売りなので正確な対比が難しいところですが、日本よりは安く、キャベツ1玉60円〜100円、豚バラ肉80円/100g。豚肉にはよく皮とか骨が付いているので実質はもうちょっと高いかも。物価の優等生、鶏卵はM玉10個で100円くらい。結構乱高下してるらしく、どうも優等生じゃない様子。日本人向けの生食可の玉子は10個で500円と高級品です。
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 スーパーの野菜・果物売り場。 手前はキャベツ。500gで1.28元(25円位)。
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普段は一人暮らしなので外食もよくします。ローカルの店に行くと炒飯や拉麺などは100〜150円程度でお腹いっぱいに。たまに日本食が恋しくなり日本料理屋に行くと生ビールが360円、冷奴が100円、秋刀魚の塩焼き500円。ちょっと飲むだけで3,000円くらいします。ランチでも生姜焼き定食で900円。ワンコインランチなど夢の様な話。ビッグマック指数でも有名なビッグマックは380円、ケンタッキーのオリジナルチキンは200円、スタバのキャラメルフラペチーノはトールで600円。この価格でもお客さんはいっぱいで、店も増えてるのを見ると中国のエネルギーを感じます。
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 スタバ。写真を撮るだけじゃ悪いのでキャラメルフラペチーノを注文するも気温20℃で飲むものじゃないと実感。
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中国のほうが安いのが光熱費。電気は契約の種類はいろいろとあるようですが、今の家では昼間で11円/kWh、夜間で7円/kWh。給湯器は電気温水器で、エアコンもそこそこ使って、年間15,000円程度。ガスは都市ガスで、50円/m3。電気温水器のためガスは料理にしか使いませんが、年間2,000円程度で済んでいます。水道代も安く、基本料込み75円/m3。飲めませんが。週2回ほど洗濯して、浴槽がないのでシャワーだけで年間で5,000円くらい。飲めませんが。
日本とそう変わらないのがガソリン代。産油国とはいえ消費量の半分以上を輸入に頼っているためか、レギュラーが120円/Lとこれを書いている9月半ばの日本の価格とほぼ変わらず。車本体も日本と同じ若しくはそれ以上するのに車は増えているとは…
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携帯電話料金も日本より安く、プランはいろいろ有りますが200分の通話料、1GBのLTEデータ通信込みで1,800円ほど。通話のみだと基本料400円で、通話料は4円/分くらい。通話料と携帯電話本体の価格は基本的に分離されているので携帯電話本体は高め。数千円のスマホも有りますが、近頃発表された某6sの16GBモデルは10万円を超えます。総務省が必死になって価格を下げようとしていますし、MVNOの台頭もあり、今後も価格は下がると思われますが中国と同じレベルまで下がるのは流石に無理でしょうか。
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 常州にもアップルストアが。なんか変ですが。
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中国での生活はこんなに苦しいんだぞ、という暗に会社へのメッセージと取られても困るので今回はこの辺で。そんなつもりは全く無いです、と念のため主張しつつまた次回。
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(2015/10) |
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皆さんこんにちは。常州も梅雨に入ったのか、ムシムシと暑い日が続きます。中国工場佐古日記その4、今回は公共交通の話。
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常州で移動するには、徒歩、電動自転車、自家用車、タクシー、白タクなどなど有りますが、市内交通の大きなウェイトを占めるのがバス。200以上の路線があり、約2,500台を保有(ちなみに日本で保有台数トップの西鉄はグループ全体で約2,800台)。全ての車両にエアコン搭載で、マイクロバスレベルから12m級の大型車まで色々な車両を見ることができます。今年になって投入されたのはLNGと電気のハイブリッドバス。発進時はモータのみで、しばらくするとエンジンが始動。減速時には回生してキャパシタに充電、20%もコスト削減になるらしく、今後も導入を進めるようです。
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 観光用の2階建てバス(上)と、ハイブリッドバス(下)。ハイブリッドバスには新能源(新エネルギー)の文字が見えます。
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路線バスの他にはBRT(Bus Rapid Transit)というバスを使った輸送システムがあります。
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 BRT停留所と連節バス。道路中央に設置されています。なお、一般の車が専用レーンに入るとキップを切られます。
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あまり聞き慣れないシステムですが日本でもいくつか導入されており、東日本大震災で被災したJR東日本の気仙沼線や大船渡線もBRTで仮復旧しています。BRTの特徴として、専用の道路を使い、停留所を設けて大量、高速にヒトを運ぶというもの。常州では道路の中央に専用車線を設置し、現在南北に1号線、東西に2号線が走っています。車内で料金収受は行わず、停留所の改札で料金を支払うことで乗り降りにかかる時間を短縮し高速化を図っています。1元(≒20円。交通カードなら0.6元)でどこまででも乗ることができます。
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そんなバス一辺倒だった常州にもようやく地下鉄が。現在、江蘇省で5番目の地下鉄を建設中。今年4月から1号線の建設を開始、2019年末開通予定です。その後、2030年までに順次6号線まで建設するとか。1号線は現在のBRT1号線と平行するように北は常州北駅から南は永正機械のある南夏墅までの34km。途中、日本料理店が多い漢江路や常州駅を通ります。
福岡市地下鉄の全路線30kmを一気に超える距離を5年弱で建設しちゃうのが中国らしい。2013年末に着工した七隈線博多駅延伸区間(1.6km)が完成するのが2020年度。中国の建設スピードが早いのか、日本が遅いだけなのか。
まだまだ書くこといっぱいあるんですがスペースの都合でここまで。また次回。
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 会社近くの駅建設現場。この周辺は工場地帯なので地下にする必要がないらしく、高架になっています。地下区間の駅は開削、駅間はシールドで掘ってる様子。
 常州地下鉄のロゴ。Changzhou MetroのCMでトンネルを走る電車を、また2500年前の水堀の遺跡、淹城も模しているらしい。
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皆さんあけましておめでとうございます(中国的に)。春節も開けてようやく通常営業になった中国です。中国工場佐古日記そのB。今回は国際結婚の話。
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どうも日本ではウィスキー技術者のドラマが流行ってるとかで「国際結婚について書いて!」とリクエストを受けたんですが、そもそもそのドラマは見たこと無いし(あまちゃんは見てた)、日本で結婚したこともないのでそう言われても…と悩んでたんですが、結婚当時のことを考えてたらいろいろあったのを思い出したので書いていこうと思います。
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 あまりにあまちゃんが好きすぎて 博多から岩手県久慈市まで新幹線乗り継いでロケ地めぐり。
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国際結婚をするには、まず外国人と仲良くなります。その後、あの手この手で結婚まで持ち込みます。言葉とか文化の差異はある程度受け入れて、相手にも受け入れてもらいます。ここまでは大なり小なり日本人同士でも同じかと。その後、いよいよ結婚の手続きとなるんですが、婚姻届を出すだけじゃダメでいろいろな手順を踏まないといけません。これが超めんどくさい。 |
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 結婚証。中国で結婚すると 夫、妻双方に発行されます。
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 | 戸籍謄本を日本から取り寄せる。 |
 | 戸籍を持って在上海日本国総領事館に二人で行って日本人側の独身証明を取得。申請書とは別に質問書というのがあり、二人が初めて出会った日時、場所、結婚までの経緯、言葉はどれくらい通じるのか、双方の家族は結婚について知っているのか、日本から強制退去されたことがあるか、などなどを書くというもの。その中の結婚までの経緯ってのが曲者で「上海市内のレストランで初めて出会って、それから連絡を取り合ううちに恋に落ちて…」みたいな作文を書かされました。今思い出しても恥ずかしい。あの紙は今でも領事館に保管されてるんでしょうか。日本の法務省でしょうか。できればシュレッダー希望。 |
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 | 上海の結婚登録センターに二人で行って、結婚登録。日本語で書いてある宣誓書を読まされたんですが、誰が訳したのか珍妙な日本語で吹き出しそうになりながら宣誓しました。法律的にはここで夫婦に。中国の結婚証明が発行されます。 |
 | 結婚証明を持って上海の公証役場で結婚の公証書、配偶者の国籍公証書とそれぞれの和訳を取得。ここは待ち時間が長いだけで特に面白いことなし。数日後に発行されます。 |
 | 公証書と和訳をもってまたも在上海日本国総領事館へ。ここに来て初めて日本の婚姻届に記入。中国の法律上、既に婚姻が成立しているので婚姻届は日本の戸籍に結婚したことを記載するための届け出。証人は必要ありませんでした。 |
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これで手続きは終了。2008年の上海での手続きなので変わってるかもしれませんが、大筋は今も同じかと。全部終わるのに1ヶ月位かかりました。偽装結婚とかあるので仕方ないとは思うんですが、結婚するというより手続きしてるってイメージ。嫁が上海戸籍だったから上海市内で全部終わりましたが、これが地方出身者だったりすると地元まで戻って手続きらしい。これでもまだマシな方なのです。 |
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結婚したら国籍も中国に?と良く質問されるんですが(じゃあ嫁は日本の国籍になるんかい、と心のなかで突っ込む)、国籍はそのまま。日本の戸籍には結婚した事実だけ書かれて、嫁の戸籍はありません。
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 戸籍全部事項証明書。 海外で国際結婚するとこんなかんじで書かれます。
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中国はもともと夫婦別姓で、日本人でも国際結婚の場合は基本的には別姓です。基本的に、ってのは結婚してから半年以内なら日本の役所に届を出せば配偶者の氏に変更できるらしいんですが、その制度自体知らなかったのでそのままです。知ってても変えませんが。クルム伊達公子的な複合姓にもできるらしいんですが、家庭裁判所に申し立てをして審査があるとか。結婚の届け出以上にめんどくさそう。
制度や手続き的な話でいっぱいになったので今回はこの辺で。結婚生活とか文化、風習なんか書こうと思ってたんですがそれは次回以降に。
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(2015/04) |
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この度中国工場【常州永正机械有限公司】のコラムを任されました佐古です。今年7月にヤスナガに入社した新入社員です!とは言え、なんだかんだで中国滞在ももう10年目。とりあえず簡単に自己紹介から。
1982年に福岡市で生まれて今年で32歳。小中高と福岡で過ごして、岡山の大学に進学。2005年から上海に住み始め、2008年に常州永正机械ができて常州に引っ越し、それからずっと常州在住です。同じく2008年には上海人と国際結婚。家内は上海に住んでて私は常州へ単身赴任中。その後紆余曲折あってヤスナガに入社しました。
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 上海の家庭料理。旧暦の大晦日に一家揃って食べる年夜飯と呼ばれるもの。味は…手前のプレモルは持参。
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 四川料理の代表、辣子鶏。見た目のインパクトはすごいけど、そんなに辛くない。
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最初の今回は中国での食事の話。世界3大料理の一つと言われる中華料理。中華料理と言えばよく四川料理に代表される唐辛子辛い料理を想像されますが、広い中国、地域によって味付けも素材も全く違います。住んでいる常州や上海などは江蘇料理と呼ばれ、肥沃な土地の農産物に、長江や東シナ海で獲れる魚介類などを使った味の濃い甘い味付けが特徴です。
9年も中国に住んでいるので食事にもとっくに慣れ、安くて美味しいので食べ過ぎてぶくぶく太っていった私でも、その甘い味付けがどうも曲者で外食する際は地元料理は選ばずに四川料理や湖南料理など辛い料理を食べることがほとんど。辛さで味覚が麻痺して美味く感じてるだけのような気もします。
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 上海の庶民的な小籠包屋。6個で150円位。注文を受けてから包んで蒸してくれます。
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上海料理で有名なものに「小籠包」があります。上海の小籠包は薄い皮にアツアツのスープが入った日本人に嫌いな人はいないとも言われる料理。駐在員が日本人をアテンドする際は「とりあえず小籠包」。老若男女、誰を連れて行っても間違いがない鉄板です。一時期、高級小籠包として有名な鼎泰豐に行きすぎて飽きた、というなんとも贅沢な経験もしました。常州近郊の無錫も小籠包で有名。江蘇料理の例に漏れずベタベタに甘いスープで、こちらは日本人には大不評。上海の小籠包は甘くないのはなんで?
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素材に目を向けると、「四足なら机と椅子以外、空を飛ぶものなら飛行機以外」食べる中国では日本では馴染みのない素材もたくさんあります。スーパーの肉売り場では鳩やウサギ、魚介類売り場では生きた亀やスッポン、カエルなんかが売られています。アグネス・チャンが公園の鳩を見ておいしそうだと言ったという噂もありますがあながち嘘じゃないのかも。まあハト食べるくらいなら鶏食べたほうが美味しさ的に幸せだと思いますが。でも、食料とペットの線引ってどうなってんでしょう?ペットショップにも、亀とかうさぎ売ってるんですけど。
というわけでまた次回。
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 カエルの料理。店によっては皮がついたままのところもあるが、これはない分心理的に食べやすい。味は柔らかめの鶏肉。
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(2014/10) |